荒尾市樺の丸宗瓦代表、末吉真也さん (40) は国土交通省が主催する「青年優秀施工者不動産・建設経済局長顕彰(建設ジュニアマスター)」に選出された。顕彰は、優秀な技術・技能を有し、今後さらなる活躍が期待される青年技能者を対象とするもの。 末吉さんは「建設マスターをはじめ、さらに上 を目指していきたい」と決意を新たにしている。
同省は1992年度から毎年、「優秀施工者国土交通 大臣顕彰(建設マスター)」 を実施。2015年度から は建設マスターに達するま でに技能向上を図ってほしいと、39歳以下(申請時点)の青年技能者を対象と する建設ジュニアマスター の選出も行っている。本年度の建設ジュニアマスターには全国で106人が選ばれ、そのうち瓦ぶき職人は 2人。10月18日に東京都千代田区の有楽町よみうりホールで式典が開かれ、顕彰状が贈られた。
末吉さんは高校卒業後、2年ほど京都で修行し、父の宗文さん(63)が創業した同社に就職。法隆寺大講堂改修工事、熊本城天守閣の復旧などにも貢献した。また14年の第1回全瓦連九州ブロックかわらぶき技能競技大会や19年の第30回技能グランプリで優勝するなど、各種大会で優秀な成績を残している。
顕彰への推薦には高い技能のほか、業界への貢献度や後進の育成も条件となっている。
末吉さんは職業訓練校や技能検定講習会で講師を務めるほか、フォローアップ講習会を開いてガイドラインの普及に努め、高校生を対象に瓦ぶきの体験・実演をするなど、後継者の育成・発掘に貢献している点が評価された。
「たくさんの人に応援してもらい、その恩返しとしてガイドラインの広報・啓発などにも取り組んできた。さまざまな活動を続けてきたことが評価され、うれしい」と末吉さん。
「一軒でも多く、お手本となるような屋根を地元で造り、災害に強い瓦屋根を普及したい。お客さまに安心して瓦を選んでもらえる環境をつくっていければ」と話していた。 有明新報(川野美緒)